○佐伯市文化財保護条例

平成17年3月3日

条例第144号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 市指定有形文化財(第4条―第19条)

第3章 市指定無形文化財(第20条―第25条)

第4章 市指定民俗文化財(第26条―第33条)

第5章 市指定史跡名勝天然記念物(第34条―第39条)

第6章 市選定保存技術(第40条―第44条)

第7章 佐伯市文化財保護審議会及び佐伯市文化財保護推進委員(第45条―第55条)

第8章 雑則(第56条)

第9章 罰則(第57条―第60条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、法の規定による指定を受けた文化財及び大分県文化財保護条例(昭和30年大分県条例第12号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で本市の区域内に存するもののうち市にとって重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって市の文化的向上に資するとともに、我が国文化の進歩に貢献することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「文化財」とは、法第2条第1項各号に掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物、文化的景観及び伝統的建造物群をいう。

(財産権等の尊重及び他の公益との調整)

第3条 佐伯市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

第2章 市指定有形文化財

(指定)

第4条 教育委員会は、市の区域内に存する有形文化財(法及び県条例の規定により指定されたものを除く。以下同じ。)のうち市にとって重要なものを市指定有形文化財に指定することができる。

2 前項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ、指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者(以下「占有者」という。)の同意を得なければならない。ただし、所有者又は占有者が判明しない場合を除く。

3 第1項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ、佐伯市文化財保護審議会に諮問しなければならない。

4 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該有形文化財の所有者及び占有者に通知してする。

5 第1項の規定による指定は、前項の規定による告示があった日から1週間を経た日からその効力を生ずる。

6 第1項の規定による指定をしたときは、教育委員会は、当該市指定有形文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。

(解除)

第5条 市指定有形文化財が市指定有形文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 前項の規定による指定の解除には、前条第3項から第5項までの規定を準用する。

3 市指定有形文化財について法及び県条例の規定による指定があったときは、当該市指定有形文化財の指定は、解除されたものとする。

4 前項の場合には、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該市指定有形文化財の所有者及び占有者に通知しなければならない。

5 第2項で準用する前条第4項の規定による市指定有形文化財の指定の解除の通知を受けたとき、及び前項の規定による通知を受けたときは、所有者は、速やかに市指定有形文化財の指定書を教育委員会に返付しなければならない。

(所有者の管理義務及び管理責任者)

第6条 市指定有形文化財の所有者は、この条例並びにこれに基づいて発する教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、市指定有形文化財を管理しなければならない。

2 市指定有形文化財の所有者は、当該市指定有形文化財の適切な管理のため必要があるときは、法第192条の2第1項に規定する文化財保存活用支援団体その他の適当な者を専ら自己に代わり当該市指定有形文化財の管理の責めに任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)に選任することができる。

3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も、同様とする。

4 管理責任者には、第1項の規定を準用する。

(所有者の変更等)

第7条 市指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 市指定有形文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

(滅失、毀損等)

第8条 市指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくは毀損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者又は管理責任者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

(所在の変更)

第9条 市指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者又は管理責任者は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則で定める場合には、届出を要せず、又は所在の場所を変更した後届け出ることをもって足りる。

(管理又は修理の補助)

第10条 市指定有形文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、市は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは当該管理又は修理について指導監督することができる。

(補助金の返還等)

第11条 前条第1項の規定による補助金の交付を受ける所有者が次の各号のいずれかに該当するときは、市は、当該補助金の全部若しくは一部を交付せず、又は当該所有者に対し既に交付された補助金の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。

(1) 管理又は修理に関し条例、規則又は教育委員会規則に違反したとき。

(2) 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。

(3) 前条第2項の補助の条件に従わなかったとき。

(管理又は修理に関する勧告)

第12条 教育委員会は、市指定有形文化財の管理が適当でないため、当該市指定有形文化財が滅失し、毀損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。

2 教育委員会は、市指定有形文化財が毀損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、所有者に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。

3 前2項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を市の負担とすることができる。

4 前項の規定により市が費用の全部又は一部を負担する場合には、第10条第2項及び前条の規定を準用する。

(有償譲渡の場合の納付金)

第13条 市が修理又は管理に関し必要な措置(以下この条において「修理等」という。)につき第10条第1項の規定により補助金を交付し、又は前条第3項の規定により費用を負担した市指定有形文化財のその当時における所有者又はその相続人、受遺者若しくは受贈者(以下この条において「所有者等」という。)は、補助又は費用負担に係る修理等が行われた後当該市指定有形文化財を有償で譲り渡した場合においては、当該補助金又は負担金の額の合計額から当該修理等が行われた後当該市指定有形文化財の修理等のため自己の費やした金額を控除して得た金額を市に納付しなければならない。ただし、納付する金額については、別に定めるものとする。

(現状変更等の制限)

第14条 市指定有形文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。

3 教育委員会は、第1項の許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

4 教育委員会は、第1項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかったときは、許可に係る現状変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

5 第1項の許可を受けることができなかったことにより、又は第3項の許可の条件を付せられたことによって損失を受けた者に対しては、市は、その通常生ずべき損失を補償する。

(修理の届出等)

第15条 所有者は、市指定有形文化財を修理しようとするときは、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、第10条第1項の規定による補助金の交付、第12条第2項の規定による勧告又は前条第1項の規定による許可を受けて修理を行う場合は、この限りでない。

2 教育委員会は、市指定有形文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導及び助言をすることができる。

(公開)

第16条 教育委員会は、市指定有形文化財の所有者に対し、6か月以内の期間を限って、教育委員会の行う公開の用に供するため、当該市指定有形文化財を出品することを勧告することができる。

2 教育委員会は、市指定有形文化財の所有者に対し、3か月以内の期間を限って、当該市指定有形文化財の公開を勧告することができる。

3 第1項の規定による出品のために要する費用は、市の負担とし、前項の規定による出品のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を市の負担とすることができる。

4 教育委員会は、第1項の規定により市指定有形文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該市指定有形文化財の管理の責めに任ずべき者を定めなければならない。

5 教育委員会は、第2項の規定による公開及び当該公開に係る市指定有形文化財の管理に関し必要な指示をするとともに、必要があると認めるときは、当該管理について指揮監督することができる。

第17条 前条第2項の規定に規定する公開の場合を除き、市指定有形文化財の所在の場所を変更してこれを公衆の観覧に供するため、第9条の規定による届出があった場合には、前条第5項の規定を準用する。

(調査)

第18条 教育委員会は、必要があると認めるときは、市指定有形文化財の所有者又は管理責任者に対し、当該市指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。

(所有者変更に伴う権利及び義務の承継)

第19条 市指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該市指定有形文化財に関しこの条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利及び義務を承継する。

2 前項の場合には、旧所有者は、当該市指定有形文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。

第3章 市指定無形文化財

(指定)

第20条 教育委員会は、市の区域内に存する無形文化財(法及び県条例の規定により指定されたものを除く。)のうち市にとって重要なものを市指定無形文化財に指定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定による指定をするに当たっては、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 第1項の規定による指定又は前項の規定による認定をするには、教育委員会は、あらかじめ、佐伯市文化財保護審議会に諮問しなければならない。

4 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体(保持団体にあっては、その代表者)として認定しようとするものに通知してする。

5 教育委員会は、第1項の規定による指定をした後においても、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。

6 前項の規定による追加認定には、第3項及び第4項の規定を準用する。

(解除)

第21条 市指定無形文化財が市指定無形文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その認定を解除することができる。

3 第1項の規定による指定の解除又は前項の規定による認定の解除には、前条第3項の規定を準用する。

4 第1項の規定による指定の解除又は第2項の規定による認定の解除は、その旨を告示するとともに、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体の代表者に通知してする。

5 市指定無形文化財について法及び県条例の規定による指定があったときは、当該市指定無形文化財の指定は、解除されたものとする。

6 前項の場合には、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該市指定無形文化財の保持者として認定されていた者又は保持団体として認定されていた団体の代表者に通知しなければならない。

7 保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下この条及び次条において同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したとき、又は保持団体のすべてが解散したときは、市指定無形文化財の指定は解除されたものとする。この場合において、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

(保持者の氏名変更等)

第22条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、その他教育委員会規則で定める事由があるときは、保持者又はその相続人は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあっては、代表者であった者)についても、同様とする。

(保存)

第23条 教育委員会は、市指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、市指定無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成その他保存のため適当な措置を執ることができるものとし、市は、保持者又は保持団体その他その保存に当たることが適当と認められる者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定により補助金を交付する場合には、第10条第2項及び第11条の規定を準用する。

(公開)

第24条 教育委員会は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し市指定無形文化財の公開を、市指定無形文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。

2 前項の規定による市指定無形文化財の公開には、第16条第3項及び第5項の規定を準用する。

3 市は、第1項の規定による市指定無形文化財の記録の公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

4 前項の規定により補助金を交付する場合には、第10条第2項及び第11条の規定を準用する。

(保存に関する助言又は勧告)

第25条 教育委員会は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることが適当と認められる者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

第4章 市指定民俗文化財

(指定)

第26条 教育委員会は、市の区域内に存する有形の民俗文化財(法及び県条例の規定により指定されたものを除く。)のうち市にとって重要なものを市指定有形民俗文化財に、無形の民俗文化財(法及び県条例の規定により指定されたものを除く。)のうち市にとって重要なものを市指定無形民俗文化財に指定することができる。

2 前項の規定による市指定有形民俗文化財の指定には、第4条第2項から第6項までの規定を準用する。

3 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定には、第20条第3項の規定を準用する。

4 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定は、その旨を告示してする。

(解除)

第27条 市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財が市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 前項の規定による市指定有形民俗文化財の指定の解除には、第5条第2項及び第5項の規定を準用する。

3 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定の解除には、第21条第3項の規定を準用する。

4 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定の解除は、その旨を告示してする。

5 市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財について法及び県条例の規定による指定があったときは、当該市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。

6 前項の場合の市指定有形民俗文化財の指定の解除には、第5条第4項及び第5項の規定を準用する。

7 第5項の場合の市指定無形民俗文化財の指定の解除については、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

(市指定有形民俗文化財の保護)

第28条 市指定有形民俗文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 教育委員会は、市指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る現状変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

(市指定有形民俗文化財に関する準用規定)

第29条 第6条から第13条まで及び第16条から第19条までの規定は、市指定有形民俗文化財について準用する。

(市指定無形民俗文化財の保存)

第30条 教育委員会は、市指定無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、市指定無形民俗文化財について自ら記録の作成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、市は、その保存に当たることが適当と認められる者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定により補助金を交付する場合には、第10条第2項及び第11条の規定を準用する。

(市指定無形民俗文化財の記録の公開)

第31条 教育委員会は、市指定無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。

2 前項の規定による公開には、第24条第3項及び第4項の規定を準用する。

(市指定無形民俗文化財の保存に関する助言又は勧告)

第32条 教育委員会は、市指定無形民俗文化財の保存に当たることが適当と認められる者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

(市指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財の記録の作成等)

第33条 教育委員会は、市指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財のうち特に必要があるものを選択して、自らその記録を作成し、保存し、又は公開することができるものとし、市は、適当な者に対し、当該無形の民俗文化財の公開又はその記録の作成、保存若しくは公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定による選択には、第20条第3項の規定を準用する。

3 第1項の規定により補助金を交付する場合には、第10条第2項及び第11条の規定を準用する。

第5章 市指定史跡名勝天然記念物

(指定)

第34条 教育委員会は、市の区域内に存する記念物(法及び県条例の規定により指定されたものを除く。)のうち市にとって重要なものを市指定史跡、市指定名勝又は市指定天然記念物(以下「市指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定には、第4条第2項から第5項までの規定を準用する。

(解除)

第35条 市指定史跡名勝天然記念物が市指定史跡名勝天然記念物としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 市指定史跡名勝天然記念物について法及び県条例の規定による指定があったときは、当該市指定史跡名勝天然記念物の指定は、解除されたものとする。

3 第1項の規定による指定の解除には第5条第2項の規定を、前項の場合には同条第4項の規定を準用する。

(標識の設置)

第36条 市指定史跡名勝天然記念物の所有者は、教育委員会規則で定める基準により、市指定史跡名勝天然記念物の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲さくその他の施設を設置するものとする。

(土地の所在等の異動の届出)

第37条 市指定史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったときは、所有者(第39条で準用する第6条第2項の規定により選任した管理責任者がある場合は、その者)は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

(現状変更等の制限)

第38条 市指定史跡名勝天然記念物に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。

3 第1項の規定による許可を与える場合には、第14条第3項及び第4項の規定を準用する。

4 第1項の許可を受けることができなかったことにより、又は前項で準用する第14条第3項の許可の条件を付せられたことによって損失を受けた者に対しては、市は、その通常生ずべき損失を補償する。

(準用規定)

第39条 第6条から第8条まで、第10条から第13条まで、第15条第18条及び第19条第1項の規定は、市指定史跡名勝天然記念物について準用する。

第6章 市選定保存技術

(選定等)

第40条 教育委員会は、市の区域内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のために欠くことのできないもの(法及び県条例の規定により選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち、市として保存の措置を講ずる必要があるものを市選定保存技術として選定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定による選定をするに当たっては、市選定保存技術の保持者又は保存団体(市選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体(財団を含む。)で代表者又は管理人の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 一の市選定保存技術についての前項の認定は、保持者と保存団体とを併せてすることができる。

4 第1項の規定による選定及び前2項の規定による認定には、第20条第3項から第6項までの規定を準用する。

(解除)

第41条 教育委員会は、市選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなった場合その他特殊の事由があるときは、その選定を解除することができる。

2 教育委員会は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保存団体が保存団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の事由があるときは、保持者又は保存団体の認定を解除することができる。

3 第1項の規定による指定の解除又は前項の規定による認定の解除には、第21条第3項及び第4項の規定を準用する。

4 市選定保存技術について法及び県条例の規定による選定があったときは、当該市選定保存技術の選定は解除されたものとする。

5 前項の場合には、第21条第6項の規定を準用する。

6 前条第2項の認定が保持者のみについてなされた場合にあってはそのすべてが死亡したとき、同項の認定が保存団体のみについてなされた場合にあってはそのすべてが解散したとき(消滅したときを含む。以下この項において同じ。)同項の認定が保持者と保存団体とを併せてなされた場合にあっては保持者のすべてが死亡し、かつ、保存団体のすべてが解散したときは、市選定保存技術の選定は、解除されたものとする。この場合において、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

(保持者の氏名変更等)

第42条 保持者及び保存団体には、第22条の規定を準用する。この場合において、同条後段中「代表者」とあるのは、「代表者又は管理人」と読み替えるものとする。

(保存)

第43条 教育委員会は、市選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは、市選定保存技術について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、市は、保持者又は保存団体その他その保存に当たることが適当と認められる者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定により補助金を交付する場合には、第10条第2項及び第11条の規定を準用する。

(保存に関する指導又は助言)

第44条 教育委員会は、市選定保存技術の保持者又は保存団体その他その保存に当たることが適当と認められる者に対し、その保存のため必要な指導又は助言をすることができる。

第7章 佐伯市文化財保護審議会及び佐伯市文化財保護推進委員

(審議会の設置)

第45条 法第190条第1項の規定に基づき、教育委員会に佐伯市文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(所掌事務)

第46条 審議会は、教育委員会の諮問に応じて、文化財の保存及び活用に関する重要事項を調査審議し、並びにこれらの事項について教育委員会に建議する。

(組織)

第47条 審議会は、委員15人以内をもって組織する。

2 特別の事項を調査審議するため必要があるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。

3 委員及び臨時委員は、文化財について識見を有する者その他教育委員会が必要と認める者のうちから教育委員会が委嘱し、又は任命する。

(委員の任期等)

第48条 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 臨時委員は、当該特別の事項の調査審議が終わったとき退任するものとする。

3 委員は、第53条に規定する佐伯市文化財保護推進委員を兼ねることができる。

(会長及び副会長)

第49条 審議会に会長1人及び副会長1人を置き、委員の互選によりこれを定める。

2 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第50条 審議会の会議(以下「会議」という。)は、会長が招集し、会長が議長となる。

2 会議は、委員の過半数が出席しなければ、開くことができない。

3 会議の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 審議会は、必要があるときは、会議に委員以外の者の出席を求め、説明又は意見を聴くことができる。

(部会)

第51条 審議会に部会を置くことができる。

2 部会は、審議会から付託された事項について調査審議し、その結果を審議会に報告する。

3 部会の委員は、審議会の委員のうちから会長が指名する。

4 部会に部会長を置き、部会に属する委員のうちから会長が指名する。

(庶務)

第52条 審議会の庶務は、教育委員会社会教育課において処理する。

(推進委員の設置)

第53条 市の区域内における文化財の保護及び活用を図るため、佐伯市文化財保護推進委員(以下「推進委員」という。)を置く。

(職務)

第54条 推進委員は、次に掲げる職務を行う。

(1) 文化財の巡視及び調査に関すること。

(2) 文化財の保護についての指導及び助言に関すること。

(3) 文化財保護思想の普及活動に関すること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、教育委員会が文化財の保護に関し必要と認めること。

(定数及び任期)

第55条 推進委員の定数は、30人以内とする。

2 推進委員は、文化財の保護に関する識見を有し、かつ、地域の文化財を把握している者のうちから教育委員会が委嘱し、又は任命する。

3 推進委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

第8章 雑則

(委任)

第56条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

第9章 罰則

(刑罰)

第57条 市指定有形文化財を損壊し、毀棄し、又は隠匿した者は、10万円以下の罰金又は科料に処する。

第58条 市指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、毀損し、又は衰亡するに至らしめた者は、10万円以下の罰金又は科料に処する。

第59条 第14条又は第38条の規定に違反して、教育委員会の許可を受けず、若しくはその許可の条件に従わないで、市指定有形文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は教育委員会の現状変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかった者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。

(両罰規定)

第60条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産の管理に関して、前3条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、平成17年3月3日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日(次項において「施行日」という。)の前日までに、佐伯市文化財保護条例(昭和51年佐伯市条例第32号)、上浦町文化財保護条例(昭和51年上浦町条例第11号)、弥生町文化財保護条例(昭和51年弥生町条例第15号)、本匠村文化財保護条例(昭和50年本匠村条例第33号)、宇目町文化財保護条例(昭和51年宇目町条例第13号)、直川村文化財保護条例(昭和51年直川村条例第14号)、鶴見町文化財保護条例(昭和51年鶴見町条例第16号)、米水津村文化財保護条例(昭和51年米水津村条例第15号)又は蒲江町文化財保護条例(昭和51年蒲江町条例第6号)(次項においてこれらを「合併前の条例」という。)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

3 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。

(平成17年3月31日条例第353号)

この条例は、平成17年4月1日から施行する。

(平成19年3月30日条例第14号)

この条例は、平成19年4月1日から施行する。

(平成24年3月30日条例第3号)

この条例は、平成24年4月1日から施行する。

(令和2年9月29日条例第42号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

佐伯市文化財保護条例

平成17年3月3日 条例第144号

(令和2年9月29日施行)

体系情報
第7編 育/第5章 文化財
沿革情報
平成17年3月3日 条例第144号
平成17年3月31日 条例第353号
平成19年3月30日 条例第14号
平成24年3月30日 条例第3号
令和2年9月29日 条例第42号