○佐伯市民意見提出手続実施要綱

平成18年3月30日

告示第63号

(目的)

第1条 この告示は、市の基本政策等に対する市民の意見提出手続について必要な事項を定めることにより、市民に市政の基本的かつ重要な政策等に関する情報を事前に提供して分かりやすい市政の実現に努めるとともに、市民の市政への参画を促進し、市民と行政とが一体となった協働によるまちづくりをより一層進めることを目的とする。

(定義)

第2条 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 基本政策等 市政の基本的かつ重要な政策等のうち、第4条各号に掲げるものをいう。

(2) 実施機関 市長(地方公営企業の管理者としての権限を行う場合を含む。)、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び消防長をいう。

(3) 意見提出手続 実施機関が基本政策等を決定するに当たり、この告示に定めるところにより、基本政策等の案(構想又は検討段階のものを含む。以下同じ。)及び参考資料を事前に公表し、これに対する意見(情報、専門的知識等を含む。以下同じ。)を求め、提出された意見を十分に考慮して意思決定を行うとともに、これらの意見に対する実施機関の考え方を明らかにする手続をいう。

(実施機関の責務)

第3条 実施機関は、第1条の目的を十分に理解し、これを実現するため、意見提出手続を適切に実施するとともに、提出された意見を誠実に取り扱うものとする。

2 実施機関は、意見提出手続により意見を提出したものに対し、意見を提出したことを理由としていかなる利益又は不利益な取扱いもしてはならない。

(対象)

第4条 意見提出手続の対象は、次に掲げるものとする。

(1) 市政の基本的事項を定める計画、憲章・宣言等

(2) 次の事項を内容とする条例及び規則等

 市政の基本的事項(市の機関の設置、所掌事務の範囲その他の組織(機構、制度及びそれらの運用をいう。)に関する事項を除く。)

 市民に義務を課し、又は権利を制限する事項(地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料その他の金銭徴収に関する事項を除く。)

(3) 行政手続法(平成5年法律第88号)第5条に規定する審査基準及び同法第12条に規定する処分基準、佐伯市行政手続条例(平成17年佐伯市条例第11号)第5条に規定する審査基準及び同条例第12条に規定する処分基準並びに行政指導の基本指針(一定の行政目的を実現するため、一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときに、これらの行政指導に共通してその内容となるべき事項をいう。)

(4) 公用又は公共用の施設の整備その他市が行う事業(ソフト事業を含む。)のうち、市政遂行上特に重要と認められるもの

(5) 前各号に掲げるもののほか、第1条の目的に照らし、実施機関において意見提出手続を実施することを適当と認めるもの

(適用除外)

第5条 前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合は、意見提出手続は適用しない。

(1) 実施機関に実質的な裁量の余地がない場合

(2) 緊急又は迅速を要し、意見提出手続を実施することにより、その目的達成に支障が生じるおそれがあると認められる場合

(3) 他の実施機関が意見提出手続を実施して定めた基本政策等と実質的に同一の基本政策等を定めようとする場合

(4) 内容が軽微である場合、定例的である場合その他意見提出手続の実施に要する労力、費用その他の面から、これを実施することが合理性を欠くと認められる場合

2 実施機関は、前項第2号の規定により意見提出手続を実施しなかった場合には、速やかにその旨及びその基本政策等の概要を公表するものとする。

3 前項の規定による公表については、第9条の規定を準用する。

(意見提出手続の特例)

第6条 実施機関は、審議会等の答申等に基づいて基本政策等を決定しようとする場合において、その審議会等が審議の過程において第19条の規定により意見提出手続に準じた手続を行ったときは、自らは意見提出手続を行わないことができる。

2 実施機関は、法令等に意見提出手続に類する手続が規定されている場合において、その手続により市民の意見提出の機会が十分に確保できると認めるときは、意見提出手続のうち、その法令等に規定された手続に相当する部分を省略することができる。

(案の公表及び意見の募集)

第7条 実施機関は、基本政策等を決定し、変更し、又は廃止しようとするときは、事案に応じ、最終的な意思決定を行う前の適切な時期に、意見募集要領(様式第1号)を定めて、その基本政策等の案及び参考資料(佐伯市情報公開条例(平成17年佐伯市条例第13号)第7条第1項各号に規定する非公開情報に該当するものを除く。以下「基本政策等の案等」という。)を公表し、これに対する意見の提出を求めるものとする。

(参考資料)

第8条 前条の参考資料は、おおむね次の事項が分かる資料とする。

(1) 基本政策等の案の趣旨・目的、背景、必要性、効果等

(2) 基本政策等の案を立案する際にポイントとなった点、これを解決するための選択肢及びこれらに対する実施機関の考え方

(3) 審議会等の答申等に基づいて基本政策等の案が立案された場合には、その審議会の答申、審議経過等の概要

(4) 基本政策等の案の実施及び実施後に見込まれる経費の概要

(5) その他基本政策等の案を理解する上で必要な事項

(案の公表等の方法)

第9条 第7条に規定する基本政策等の案の公表及び意見の募集は、次の方法により行う。

(1) 市の広報誌への掲載

(2) 市のホームページへの掲載

(3) 報道機関への発表

(4) 実施機関の事務所その他その指定する場所での閲覧

(5) その他実施機関の定める方法

2 前項(第4号を除く。以下この項において同じ。)の場合において、基本政策等の案等が多量であるときその他そのすべてを掲載等することが困難であると認められるときは、同項の掲載等をするに当たっては、第1条の目的を阻害しない限度において、適宜、図面等の掲載等を省略し、又は意見募集要領のみの掲載等とするなど、可能な範囲に留めることができる。

3 実施機関は、第1項に掲げる方法のほか、必要に応じ、ケーブルテレビでの放映、公聴会等の開催などの方法により市民への周知等を図るものとする。

(意見提出期間)

第10条 第7条の規定により意見を求める場合において、意見を提出できる期間(以下「意見提出期間」という。)は、原則として基本政策等の案等を公表する日から30日間以上とする。

2 意見提出期間は、緊急を要する場合その他やむをえない理由がある場合は、その理由を明記した上で、これを短縮することができる。この場合においては、実施機関は、可能な限り、あらかじめ意見提出期間の短縮を予告するなどの方法により、意見の提出の機会が確保されるよう努めるものとする。

(予告)

第11条 実施機関は、第7条の規定により基本政策等の案等を公表し、これに対する意見の提出を求めようとする場合には、可能な限り、あらかじめ次に掲げる事項を市の広報誌及びホームページに掲載するなどの方法により、その実施を予告するよう努めるものとする。

(1) 基本政策等の案の名称及び要旨

(2) 基本政策等の案等の公表時期のおおむねの予定

(3) 基本政策等の案等の公表方法の予定

(4) 意見提出期間の予定

(意見の提出)

第12条 意見の提出は、次の方法によるものとする。

(1) 実施機関の事務所(その他の場所を特に指定した場合には、その場所を含む。)における書面の提出

(2) はがき又は書面の郵便若しくは民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第6項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者による同条第2項に規定する信書便による発送(以下「郵送等」という。)

(3) ファクシミリ

(4) 電子メール

(5) その他実施機関が認める方法

2 意見を提出しようとするものは、住所及び氏名(法人その他の団体にあっては、所在地、名称及び代表者の氏名。以下同じ。)を明記しなければならない。

3 市民以外のものから意見の提出があった場合には、市民の意見と同様に取り扱うものとする。

(最終的な意思決定における意見の考慮)

第13条 実施機関は、基本政策等について最終的な意思決定を行うに当たっては、提出された意見を十分に考慮しなければならない。

(提出された意見及び実施機関の考え方の公表) 

第14条 実施機関は、基本政策等について最終的な意思決定を行ったときは、速やかに次に掲げる事項を意見提出手続結果報告書(様式第2号)により公表するものとする。

(1) 提出された意見の要旨及びこれらに対する実施機関の考え方。ただし、提出された意見のうち、その内容が事案に合致しないもの、賛否の結論しか示していないもの及び佐伯市情報公開条例第7条第1項各号に規定する非公開情報に該当する部分については、この限りでない。

(2) 基本政策等の修正を行った場合には、その修正内容等

2 前項第1号の場合において、類似の意見及びこれらに対する実施機関の考え方は、適宜まとめて公表することができるものとする。

3 意見の提出者に対する個別の回答は行わない。

4 第1項の規定による公表については、第9条の規定を準用する。

(再度の意見提出手続の実施)

第15条 実施機関は、意見提出手続を実施した後、事情の変更があったこと等により、当初公表した基本政策等の案と基本的に異なった案を立案する必要が生じた場合(意見提出手続に基づく修正として行われる場合を除く。)には、その異なった案について、再度、意見提出手続を実施しなければならない。

2 前項の場合において、緊急又は迅速を要し、再度の意見提出手続を実施することにより、その目的達成に支障が生じるおそれがあると認められるときは、これを行うことを要しない。この場合においては、第5条第2項及び第3項の規定を準用する。

3 実施機関は、構想又は検討の段階で意見提出手続を実施した場合には、可能な限り、その過程を経て作成した基本政策等の案について、再度、意見提出手続を実施するよう努めるものとする。

(報告)

第16条 実施機関は、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に掲げる文書により、その旨を速やかに市長に報告するものとする。

(1) 第7条の規定により、基本政策等の案等を公表し、意見の提出を求める場合 意見募集要領

(2) 第13条の規定により、提出された意見及びそれらに対する実施機関の考え方を公表する場合 意見提出手続結果報告書

(一覧表の作成)

第17条 市長は、前条の規定による報告に基づき、意見提出手続を実施している案件の一覧表を作成し、佐伯市役所市民課市民の窓係及び各振興局等において閲覧に供するとともに、市のホームページに掲載するものとする。

(実施状況の公表)

第18条 市長は、毎年1回、各実施機関における意見提出手続の実施状況を取りまとめて公表するものとする。

(審議会等による意見の募集)

第19条 審議会等は、その審議を行うため必要がある場合は、意見提出手続に準じた手続により意見を求めることができるものとする。

(その他)

第20条 この告示に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。

(施行期日)

1 この告示は、平成18年4月1日から施行する。

(見直し)

2 この告示は、その施行の日から遅くとも3年以内に、意見提出手続の運用の在り方等について、必要な見直しを行うものとする。

(平成19年9月28日告示第104号)

この告示は、平成19年10月1日から施行する。

(平成30年3月30日告示第44号)

この告示は、平成30年4月1日から施行する。

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佐伯市民意見提出手続実施要綱

平成18年3月30日 告示第63号

(平成30年4月1日施行)