○佐伯市食のまちづくり条例

平成21年3月31日

条例第20号

(目的)

第1条 この条例は、本市の食のまちづくりに関する基本理念、施策の大綱等について定めることにより、市を挙げて食に感謝し、食の魅力あふれるまちづくりを推進し、健康と笑顔と活力に満ちた「食のまち佐伯」を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 食育 食が命の源であることの理解の上に立ち、食に関する知識と食を適切に選択する力を身につけ、健全な食生活を行うことのできる人づくりを目指すさまざまな取組をいう。

(2) 食のまちづくり 食育を中心とし、あらゆる分野において、食の魅力を発信し、活用することによって地域の振興を図ろうとする取組をいう。

(3) 事業者 食材の捕獲、収穫、育成等に携わる者、食品の製造、加工、流通又は販売に携わる者、食事の提供等に携わる者等をいう。

(4) 関係団体等 農業協同組合、森林組合、漁業協同組合、社会福祉協議会その他食のまちづくりを効果的かつ効率的に推進する上で関係をもつと認められる団体等をいう。

(基本理念)

第3条 食のまちづくりは、次に掲げる基本理念に基づいて推進するものとする。

(1) 食べるということは、食物の生命を食することであり、食は、わたしたちの命の源であるという認識をもって取り組むこと。

(2) わたしたちの住むまちは、食を育む山、川、海等の自然環境と一体となって成り立っており、これらの自然環境は、将来にわたり大切に守り、育てていかなければならないこと。

(3) わたしたちの食生活が自然の恩恵や食にかかわる人々のさまざまな活動に支えられて成り立っていることに感謝の念をもって取り組むこと。

(4) 食に関する適切な判断力を養い、生涯にわたって健全な食生活に努めることにより、心身の健康の増進と豊かな人間性を形成することを目的として取り組むこと。

(5) 市民、事業者、関係団体等(以下「市民等」という。)の自発的意志を尊重するとともに、その緊密な連携を図りつつ、地域の特性を生かした活動に取り組むこと。

(6) 食育について、家庭が重要な役割を有していることを認識するとともに、子どもの保育や教育、成人における生涯学習等においても、積極的な活動に取り組むこと。

(7) 本市が誇る豊富な食資源の活用やブランド化を積極的に推進し、豊かな市民生活とあらゆる産業の発展を目指して取り組むこと。

(8) 伝統的な食文化の継承や環境と調和のとれた生産等に配慮し、地域の活性化と地産地消の推進に取り組むこと。

(9) 食品の安全性を確保し、食品を安心して消費できる環境の維持と創造に向け、市、市民等の緊密な連携により、食に関する幅広い情報の提供と共有に努めること。

(市の役割)

第4条 市は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)に基づき、食のまちづくりに関する総合的な施策を策定し、市民等と連携を図りながら、これを計画的に実施するものとする。

2 市は、食のまちづくりに関する施策の普及啓発を行い、市民等の意識の高揚を図るとともに、食のまちづくりへの参画を奨励するものとする。

3 市は、食のまちづくりを推進するために、必要な財政上の措置を積極的に講ずるものとする。

(市民の役割)

第5条 市民は、基本理念を理解し、家庭、学校、職場その他の市民生活のあらゆる分野において、自主的かつ積極的に食のまちづくりに取り組むとともに、市が実施する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第6条 事業者は、基本理念を理解し、その事業活動を行うに当たり、自主的かつ積極的に食のまちづくりに取り組むとともに、市が実施する施策に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は、あらゆる場面で食の安全及び安心に最大限配慮し、必要な措置を講ずるとともに、市内産食材の活用促進や地産地消の推進に努めるものとする。

(関係団体等の役割)

第7条 関係団体等は、基本理念を理解し、主体的かつ積極的に食のまちづくりに取り組むとともに、市が実施する施策に協力するよう努めるものとする。

(食のまちづくりを推進するための計画の策定)

第8条 市は、食のまちづくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、食のまちづくりを推進するための計画(以下この条において「推進計画」という。)を定めるものとする。

2 推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 食のまちづくりを推進するための基本的施策

(2) 前号の基本的施策の指標に関する事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、食のまちづくりを総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市は、推進計画を定めるに当たっては、市民等の意見を反映するよう努めなければならない。

4 市は、推進計画を定めたときは、これを公表するものとする。

5 前2項の規定は、推進計画の変更について準用する。

(食のまちづくりを推進するための施策の大綱)

第9条 食のまちづくりを推進するための施策の大綱は、次のとおりとする。

(1) 市民の健康増進を図るため、栄養指導、食生活の改善に関する指導その他の食と健康を増進する施策

(2) 優れた食材を育む基盤を確保するため、山、川、海等の整備その他の良好な環境を保全する施策

(3) 食料の安定的な生産及び供給並びに食料自給率の向上を図るため、田畑、漁場等の整備、地産地消の積極的な推進その他の農林水産業及び関連産業を振興する施策

(4) 食による交流人口の増大を図るため、食観光を推進する施策

(5) 食の安全及び安心を確保するため、食品の安全性等の調査その他の食に関する調査研究、情報の収集、提供等を行う施策

(6) 食育による豊かな人間性の形成を図るため、保育所、幼稚園、小中学校、高等学校、家庭、地域等における食育指導、意識啓発その他の教育・学習活動における食育を推進する施策

(7) 食文化の継承活動に対する支援その他の食のまちづくりを推進するための施策

2 前項に掲げる施策を実施するに当たっては、それらの施策が相互に有機的な関連性を有することに配慮し、効果的かつ効率的な実施に努めるものとする。

(推進体制)

第10条 市は、食のまちづくりを推進するため、市の体制を整備するものとする。

2 市は、食のまちづくりに関する重要事項を審議するに当たっては、佐伯市食育推進会議に諮問するものとする。

(委任)

第11条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

佐伯市食のまちづくり条例

平成21年3月31日 条例第20号

(平成21年3月31日施行)