○佐伯市市長等政治倫理条例

平成22年9月30日

条例第45号

(目的)

第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その負託にこたえるため、市長、副市長及び教育長(以下「市長等」という。)が市民全体の奉仕者としてその人格と倫理の向上に努め、その権限又は地位による影響力を不正に行使して自己又は特定の者の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼にこたえ、もって公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(市長等の責務)

第2条 市長等は、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、市民に対し自らすすんでその高潔性を明らかにしなければならない。

(政治倫理基準)

第3条 市長等は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 市民全体の代表者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 市民全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上に努め、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。

(3) 市長等が行う許可、認可若しくは補助金その他の給付の決定、市(市が設立した公社及び市が資本金、基本金その他これらに準ずるものの2分の1以上を出資している法人を含む。次条において同じ。)が締結する工事、製造その他の請負契約、業務の委託契約若しくは物品の購入契約若しくはこれらの契約の下請負若しくは再委託に関する契約(次条において「請負契約等」という。)又は地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第244条の2第3項に規定する指定管理者の指定に関し、特定の個人又は法人その他の団体のために有利な取り計らいをしないこと。

(4) 市職員(臨時職員及び嘱託職員を含む。次号において「市職員等」という。)の公正な職務の遂行を妨げ、又はその職権を不正に行使するよう働きかけないこと。

(5) 市職員等の採用に関し、推薦又は紹介をしないこと。

(6) 政治活動に関し、企業、団体等から寄附を受けないものとし、後援団体についても政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附等を受けないこと。

(市との請負契約等に関する遵守事項)

第4条 市長が役員をし、若しくは実質的に経営に携わっている法人(法人税法(昭和40年法律第34号)第2条第10号の同族会社を含む。以下この条において同じ。)又は市長の配偶者若しくは1親等の親族が経営する法人は、法第142条の規定の趣旨を尊重し、市との間の請負契約等を辞退し、市民に疑惑の念を生じさせないよう努めなければならない。

(政治倫理審査会の設置)

第5条 市長等の政治倫理に関する必要な事項を調査審議するため、佐伯市市長等政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は、委員5人以内をもって組織する。

3 委員は、社会的信望があり、地方行政に関し識見の高い者のうちから市長が委嘱する。

4 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 委員は、再任されることができる。

6 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。

(審査会の所掌事務)

第6条 審査会の所掌事務は、第10条第2項の請求に関し必要な調査を行い、その結果を市長に報告することとする。

(審査会の会長及び副会長)

第7条 審査会に会長及び副会長各1人を置き、それぞれ委員の中から互選する。

2 会長は、審査会を代表し、会務を総理する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(審査会の会議)

第8条 審査会の会議(以下「会議」という。)は、会長が招集し、会長が議長となる。

2 会議は、委員の半数以上が出席しなければ、開くことができない。

3 会議の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 審査会は、必要があると認めるときは、会議に委員以外の者の出席を求め、その説明又は意見を聴くことができる。

5 会議は、公開するものとする。ただし、特に必要があると認められるときは、会議において出席委員の3分の2以上の者の同意を得て、非公開とすることができる。

(審査会の庶務)

第9条 審査会の庶務は、総務部総務課において処理する。

(市民の調査請求権)

第10条 法第74条第5項に規定する選挙権を有する者は、市長等が第3条の規定に違反する疑いがあると思料するときは、規則で定めるところにより、その総数の100分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、市長に対し調査の請求(以下「請求」という。)をすることができる。

2 市長は、請求を受けたときは、直ちに審査会に対し当該請求に係る調査を求めなければならない。

3 市長は、請求が不適法であって補正することができるものであるときは、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。

4 市長は、請求が次の各号のいずれかに該当するときは、当該請求を却下するものとする。

(1) 請求の内容が不適法であるとき。

(2) 請求を行った者が前項の規定による補正の求めに応じないとき。

5 審査会は、第2項の規定により調査を求められたときは、規則で定めるところにより、当該調査を求められた日から90日以内に市長に対しその調査の結果を報告するよう努めなければならない。

6 市長は、前項の規定による報告を受けたときは、当該報告を受けた日から10日以内に請求をした者に対し当該報告に関する書面の写しを送付するとともに、速やかに公表しなければならない。

(職務関連犯罪容疑による逮捕後、起訴後及び有罪判決後の説明会)

第11条 市長が、刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで又は第198条に定める罪、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)に定める罪その他の市長の職務に関連する犯罪(以下これらを「職務関連犯罪」という。)の容疑により逮捕され、若しくは起訴され、又は職務関連犯罪により有罪の判決の宣告を受け、引き続きその職にとどまろうとするときは、速やかに市民に対する説明会を開催しなければならない。この場合において、市長は、当該説明会に出席し、当該逮捕、起訴又は有罪の判決の宣告を受けるに至った経緯、引き続きその職にとどまろうとする理由その他の第1条の目的を達成するために必要な事項について説明しなければならない。

2 前項の規定は、副市長又は教育長が職務関連犯罪の容疑により逮捕され、若しくは起訴され、又は職務関連犯罪により有罪の判決の宣告を受け、引き続きその職にとどまろうとする場合についてこれを準用する。この場合において、「市長」とあるのは「副市長又は教育長」と、「開催しなければならない」とあるのは「開催するよう市長に対し求めなければならない」と読み替えるものとする。

(委任)

第12条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成22年10月1日から施行する。

(最初の会議の招集)

2 審査会の委員が委嘱された後最初に招集する会議は、第8条第1項の規定にかかわらず、市長が招集する。

佐伯市市長等政治倫理条例

平成22年9月30日 条例第45号

(平成22年10月1日施行)