佐伯城跡三の丸確認調査の主な成果について
佐伯市教育委員会では、国指定史跡となった佐伯城跡の適切な保存・活用の指針となる「史跡佐伯城跡保存活用計画」の策定を進めています。
計画において三の丸の保存と活用の方針を検討するために重要な要素である、佐伯城三の丸御殿の遺構の有無や状況を把握するため、旧佐伯文化会館の内側と外側にトレンチ(試掘抗)を設定し、確認調査を実施しました。
文化会館の内側に設定したトレンチ1では、江戸時代から地表面にあった三の丸御殿の礎石などは、佐伯文化会館建設のために失われてしまっていました。しかし、礎石の沈下防止の根固めと考えられる、礫の集中を検出することができました。
文化会館の外側に設定したトレンチ2では、佐伯文化会館建設等による盛土の地下に、三の丸御殿の一部を囲んでいた、水路とみられる石垣を検出しました。また、石垣の天端面が平坦に揃っていることから、御殿があった当時の地表面も残されていることが分かりました。
今回の確認調査によって、佐伯城跡三の丸には、三の丸御殿の遺構が残されていることが判明しました。特に、トレンチ2の周辺では当時の地表面を含む、良好な状態で保存されている可能性もあります。
今回の調査成果を受け、「史跡佐伯城跡保存活用計画」の検討においては、地下に遺構が残されていることを前提として、それらを適切に保存し、史跡の理解のために活用するための方針を検討していく予定です。
説明会資料
現地説明会の様子
