佐伯市文化財保存活用地域計画が文化庁長官の認定を受けました
令和5年12月15日に開催された国の文化審議会の文化財分科会において、「佐伯市文化財保存活用地域計画」の認定が文化庁長官に答申され、同日に認定されました。
文化財保存活用地域計画とは?
文化財保存活用地域計画は、平成30年の文化財保護法改正によって制度化された、総合的な計画です。
市町村の文化財保護行政の中・長期の方向性を示すマスタープランと、短期に実施する具体的な事業を記載するアクションプラン、両方の役割を担います。
佐伯市文化財保存活用地域計画について
計画作成の背景と目的
佐伯市は、九州一の広大な市域に、郷土の歴史・文化・自然を物語る魅力的な文化財や伝統文化を数多く有しています。これらの文化財・伝統文化は地域のアイデンティティの一つであり、郷土愛を醸成するうえで欠かせません。しかし、近年の少子高齢化をはじめとする社会状況の変化や、激しさを増す自然災害によって、壊れたり失われたりする危険性が高まっています。
このような背景から、佐伯市民が文化財や伝統文化を身近なものと捉え、自主・自立的に保存・活用することを通じて、地域の活性化や、歴史文化の保護・継承へとつながることを期待するとともに、文化財の防犯・防災体制や防災方針の確立を目的として、計画を作成しました。
計画期間
令和6年度~令和9年度(4年間)
計画の対象
法律上の文化財に加えて、その周囲にあって佐伯市民のアイデンティティを構成する多様なもの・ことを「歴史文化資源」と定義しました。
計画の概要
歴史文化の特徴と関連歴史文化資源群の設定(本編第3章)
多様な地形・環境や、他地域との交流で育まれた本市の歴史文化を理解するため、その特徴を「海のさいき」「山のさいき」「人が集い活躍するさいき」「文化がつながり交わるさいき」の4つに整理しました。
また、その価値と魅力を分かりやすく発信するため、複数の歴史文化資源を特定のテーマやストーリーでつないだ「関連歴史文化資源群」10件を設定しました。
将来像と視点(本編第4章)
歴史文化資源が市民の生活に身近なものとなることで、適切な保存と積極的な活用へと結びつき、地域活性化の一助となり、さらに身近なものとなる。このサイクルを生むため、「市民だれもが佐伯市の歴史文化に誇りを持ち、語ることが出来る」ことを将来像に掲げました。
そして、その実現のため「調べて受け継ぐ」「価値と楽しさを知る」「地域づくりに活用する」の3つの視点を挙げ、これらがうまく循環して機能することを目指します。
保存活用の措置と取組主体(本編第5・6章)
上記の視点や関連文化財群ごとに、取り組むべき措置を記載しました。
その実施主体には、本市の文化財担当部局だけでなく、関係部局や市民・団体・企業も想定し、地域総がかりで歴史文化資源の保存活用を推進します。
佐伯市文化財保存活用地域計画
概要版
本編
参考資料