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歴史はやわかり

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原始・古代の佐伯

佐伯(さいき)にいつから人が住み始めたのかはわかっていません。しかし、森の木(もりのき)遺跡の 調査によって、今からおよそ9千年前の縄文時代早期(じょうもんじだいそうき)には、人々が定住していたことがわかっています。縄文の集落に住む人々は、竪穴住居(たてあなじゅうきょ)に住み、肉や 魚などを蒸し焼きにして食べ、保存のため燻製(くんせい)にしていました。
3世紀ごろ、奈良盆地を中心とする地域に大和(やまと)王権が誕生し、各地に巨大な古墳(こふん)が造られるようになります。佐伯でも、海や川を見下ろす丘陵に、宝剣山(ほうけんざん)古墳や樫野(かしの)古墳などが築かれました。これらはこの地域を治める地方首長を埋葬した墓と考えられています。
8世紀になると現在の奈良や京都に都が置かれ、地方には、国・郡・里(郷)が置かれました。『豊後国風土記(ぶんごのくにふどき)』によると、佐伯は、海部(あまべ)郡の「穂門(ほと)郷」であったとされています。市内の汐月(しおつき)遺跡からは、「吉」という文字が墨で書かれた土器が出土し、「佐伯院」という古代の役所があったのではないかともいわれています。

樫野古墳の箱式石棺


中世の佐伯

中世の佐伯には佐伯荘(さいきのしょう)と呼ばれる荘園があり、豊後の守護大友氏のもと、地頭として佐伯氏が支配していました。戦国時代に佐伯氏が築いた栂牟礼城(とがむれじょう)は、巨大城郭として知られ、この城を舞台とした栂牟礼合戦は伝説として今に伝えられています。
佐伯氏は、大友氏の重臣として活躍しますが、文禄2年(1593)に大友氏が改易(かいえき)されたため、 伊予(いよ)の藤堂高虎(とうどうたかとら)に仕えて佐伯の地を去りました。
市内には佐伯氏にまつわる史跡や寺社、石造物などが残されており、当時の佐伯の姿を今に伝えています。

十三重塔(大分県指定有形文化財)


近世の佐伯

近世の佐伯市域は、佐伯藩と岡(おか)藩(宇目)に分かれていました。 佐伯藩は石高が2万石、その領域は現在の津久見(つくみ)市南部から宇目を除く佐伯市全域でした。 初代藩主毛利高政(もうりたかまさ)は、豊臣秀吉(とよとみひでよし)に仕え、日田・玖珠(ひた・くす)を治めた戦国大名でしたが、関ヶ原の戦いで石田方(西軍)についたため佐伯に国替えとなります。高政は、番匠川(ばんじょうがわ)河口に佐伯城と城下町を築き、豊後水道に面する浦方(うらかた)と平地の少ない山間部の農村を藩政の基盤としました。以後12代高謙(たかあき)のときに明治維新を迎えるまで佐伯藩の毛利家による支配は存続しました。 一方、大野(おおの)郡に属する宇目郷は、岡藩6万6千石の領地となり、交通の要所として重視され、鉱山開発などが行われました。藩主中川(なかがわ)氏は、初代秀成(ひでなり)から12代久昭(ひさあき)まで江戸時代を通じて岡藩を統治しました。

佐伯城跡

 

近代の佐伯

明治4年(1871)の廃藩置県(はいはんちけん)により大分県が誕生しました。 明治10年(1877)に勃発した西南戦争では、宮崎県境の山間部が広範囲に戦場となり、西郷(さいごう)軍の一部は佐伯市街にも侵入しました。宇目・直川(なおかわ)などには現在も多数の台場跡(だいばあと)が残されています。明治11年(1878)、海部郡は蒲戸﨑を境に南北海部郡に分けられました。明治22年の市町村制の施行により旧佐伯藩領は南海部郡1町23村、宇目は大野郡2村となり、現在の行政区割りの基礎ができました。
昭和に入ると佐伯湾に面した海岸部に海軍基地ができ、佐伯は軍事都市として発展します。昭和9年(1934)に佐伯海軍航空隊が開隊、昭和15年(1940)には佐伯防備隊ができました。また、昭和16年(1941)には、真珠湾攻撃に向けて、佐伯湾から連合艦隊機動部隊の一部が発進しました。しかし、戦局の悪化した昭和20年に入ると、佐伯もたびたび米軍の空襲を受け、一般市民も犠牲となりました。

西南戦争の台場が築かれた黒土峠(宇目)


現代の佐伯

戦後、旧海軍跡地などの臨海部に工場・造船所が進出、高度経済成長の波にも乗り、県下で最も早く工業都市として発展しました。しかし、2度のオイルショックを経て、その後の経済は低迷します。平成17(2005)年3月3日、佐伯市と南海部郡の5町3村が合併し、新「佐伯市」が誕生しました。

  • 龍王山から見た市街地

龍王山から見た市街地

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