少子高齢化の進行や人口減少社会の到来により、社会構造が大きく変化している中、核家族化や地域における連帯感の希薄化が進み、子育て家庭が孤立しがちになるなど、社会のさまざまな面において子どもや子育てを取り巻く環境は大きく変化しています。
近年、いじめや不登校、教育・しつけを口実とした体罰・虐待事件など、子どもの生命が奪われる重大事件などが発生し、大きな社会問題となっています。
これらは、現代社会が抱える課題(大人の側の自覚・意識・倫理観の反映)であり、他人に対する思いやりやいたわりの欠如、相手の立場に立つといった人権感覚の欠如や弱さ、子育てに対する不安が要因として考えられます。加えて、コミュニティが希薄化する中、子育ての悩みを抱え込む親をどう支えるかということも大きな課題です。
そのためには、子どもたち一人ひとりが心身ともに健やかに育まれ、一人ひとりの思いや意見が尊重され、権利が保障される社会環境の整備に努めるとともに、豊かな心と生きる力を身に付け、鋭い人権感覚を備えた社会人の育成に取り組むことが必要です。