いつか思う”たいせつ”のために今できること
プレコンセプションケアとは
プレ(pre)は「~の前の」、コンセプション(conception)は「妊娠・受胎」で妊娠前のヘルスケアを意味します。
つまり、プレコンセプションケアは、「妊娠前の若い世代から将来のライフプランを考えて、日々の生活や健康に向き合うこと」です。
自身が希望するライフプランを叶えるために、男女問わず、思春期以降の若いみなさんに知って欲しい言葉です。
プレコンセプションケアの目的は3つあります。
- (1)若い世代の健康を増進し、より質の高い生活を実現してもらうこと
- (2)若い世代の男女が将来、より健康になること
- (3)より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちをより健康にすること
今なぜプレコンセプションが必要なのか
健康な妊娠・将来の子どもの健康のための準備
若い女性のやせと肥満の増加、出産年齢の高齢化などからリスクの高い妊娠が増加しています。また、「生理不順を放置していた」「生理痛を我慢していた」などが将来の不妊の原因になることがあります。妊娠前から健康状態を整えることで妊娠中の合併症や不妊のリスクを減少させ、健康な赤ちゃんを産む準備につながります。
妊娠・出産には適切な時期があり、また、健康であることも大切です。早い段階から正しい知識を得て健康的な生活を送ることで、将来の健やかな妊娠や出産につながり、未来の子どもの健康の可能性を広げます。
将来の自分のための健康的な体づくり
子どもを持つ選択をする、しないにかかわらず、人生100年時代を生きるために、若いうちから健康的な生活習慣の知識を得て健康管理を意識することは自分自身の健康を守るためにも非常に重要です。
国立成育医療研究センター作成の「プレコンノート」
(外部リンク)より引用
プレコンセプションケア・チェックシートで確認しましょう
このチェックシートはすべての妊娠可能な年齢の女性とそのパートナーに向けて、確認しておいたほうがよい内容をまとめたものです。
これからの自身の健康のためにできることから始めていき、一つずつチェック項目を増やしていきましょう。
プレコンセプションケア・チェックシート
(外部リンク)
国立成育医療研究センター作成の「プレコンノート」より引用
今日からはじめるプレコンセプションケア
生活リズムを整える
まず早寝、次に早起きを心がけ、十分な睡眠をとりましょう。
十分な睡眠とは長さではなく、朝すっきり起きられる自分に合った時間のことです。
適正体重を維持する
適正体重を維持するよう心がけましょう。BMIで18.5以上25未満が適正体重と言われています。
BMI(体格指数とは):体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)の値。
最も病気になりにくい体重は、BMIが22になる体重です。
BMI22=22×{身長(m)×身長(m)}
自分自身の適正体重を知り、維持していきましょう。
栄養バランスを整える
1日3食きちんと摂り、できるだけ栄養バランスが整うように心がけましょう。
必要な栄養がとれないと、骨密度や筋肉量の低下、肌荒れ等を引き起こします。女性のやせは、栄養不足から貧血となり、月経不順につながります。月経不順は不妊の原因にもなり、やせは低出生体重児の原因になるなど、将来の妊娠・出産に影響します。
また、女性は日頃から葉酸を意識して摂取しましょう。
1日の食事の内容や量については、食事バランスガイド
(外部リンク)(厚生労働省ホームページ)を参考にしましょう。
適度な運動をする
1週間あたりの運動量は150分ほどが目安です。運動不足の人は今よりも毎日10分長く歩くなど、身体活動量を少しでも増やしてみましょう。
睡眠をとる
個人差や環境にもよりますが、理想的な睡眠時間は6時間から8時間といわれています。睡眠は生活習慣病をはじめとするさまざまな病気の予防につながります。
ストレスをためない
過度なストレスは不安や抑うつの原因になります。ストレスを溜め込まないように、自分なりの発散方法を見つけておくことが大切です。
もし気持ちや体調に不調を感じた場合は、早めに専門の医療機関を受診しましょう。
節度ある飲酒をこころがける
アルコールは楽しく適量の範囲で飲みましょう。
妊娠中の飲酒は、流産や死産、赤ちゃんの先天性の病気を引き起こす可能性があります。妊娠を考えた時からアルコールは控え、妊娠中は禁酒をしましょう。
喫煙をしない
タバコはがん・心臓病をはじめたくさんの病気を引き起こします。また男女ともに不妊症のリスクが増加し、特に妊娠中の喫煙や受動喫煙は流産、早産、周産期死亡、低体重を引き起こす可能性があります。さらに喫煙者よりも周囲にいる人々に何倍もの有害物質を吸わせます(受動喫煙)。
感染症の予防
感染症の原因となる病原体には男女にかかわらず不妊の原因になったり、将来の子どもの健康へ影響を及ぼす可能性があります。
性感染症は性交渉で感染するので、予防にはコンドームを使用し、感染した場合にはカップルで一緒に治療をする必要があります。
また、男女とも風疹の予防接種を受けているか、母子健康手帳で確認しましょう。妊婦が風疹にかかると、赤ちゃんが先天性風疹症候群になりやすくなります。
正しい知識や予防法を身につけましょう。
若いときから健(検)診を受ける
生活習慣病やがんは、自覚症状がない段階で早期発見・早期治療することで重症化を予防できます。決められた間隔で、定期的に健(検)診を受けましょう。
また、お口の健康は全身の健康につながっています。定期的に歯科でお口のチェックを受けましょう。
佐伯市特定健診・がん検診
佐伯市歯周病検診
かかりつけ医を持つ
月経に関する悩みや性感染症など、気になることがあればいつでも相談できる婦人科医を見つけておきましょう。
年齢と妊娠について知る
「いつか、子どもを持ちたい」と考えている人は、妊娠できる年齢には限界があることを知っておきましょう。
妊娠・出産の適齢期は医学的には20歳代です。個人差はありますが、女性は30歳ぐらいから徐々に妊娠する力が減りはじめ、30代後半で急速に低下します。男性も35歳ぐらいから徐々に精子の質の低下が起こります。
また高齢での妊娠は、妊娠中の病気のリスクが高まり、赤ちゃんの染色体異常や流産の頻度も上がると言われています。
何歳までに何人子どもが欲しいかを含めて、ライフプランを立ててみましょう。
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